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哀愁のヴァレンチーノ  1969.07
   作詞:なかにし礼 作曲:すぎやまこういち 編曲:宮川泰
   演奏:オールスターズ・レオン
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★

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個人的にですが、ザ・ピーナッツの一番大好きだったあの路線の最後の曲でした。
ザ・ピーナッツに似合う歌・製作委員会みたいな常連スタッフの終焉の輝きです。
幸福な時期は長くは続かない。儚い夢だから、愛おしくてしかたがないんです。
いつまでも、いつまでも、このメンバーでピーナッツの歌を作り続けて欲しい。
そう願わずにはいられない程、次元を離脱したファンタジーの世界がありました。

こんなものが一般商品として通用するものなのだろうかと冷や汗ものでしたが、
案の定、この流れは潰えてしまいました。残念ですが、当然と言えば当然かも。
スタッフもこの曲が大ヒットするなんてことは全く考えていないのではと思う。
それでも、こういうのをザ・ピーナッツに歌って欲しい。レコードにしたいんだ。
という思い入れが凄いとは思いませんか? 商売なんか頭から問題にしてない?。

荘重で豪奢なイントロに突然響く、ヴァレンチーノ〜 ヴァレンチーノ〜
え、ええっ、わあ、な、なんだこれは! もうたまりません。背筋がゾ〜〜
素晴らしい詩に、重々しい旋律、宮川ワールドの壮大な編曲、この世からもう
超越してしまったようなその歌声。どこをとっても文句のつけようがない!!
だから、だからこそ、これは流行り歌にはなりえない。傾聴歌なんだよね。

♪忘れられぬ あなたゆえ (ここでの揺らぐ弦の切なさ、たまりません)
♪雨に濡れた 夜明けの鋪道 (シャラリ〜〜ン というの技ありだよね)
あああ、なんて気品の高い曲なんでしょう。雑念を忘れられる天上の音楽です。
初めてレコードに針を落とした当時より、今が、一層、好きになっています。

---------------------------------------------2001/10/07(Sun) 投稿

<ウシオさんからのレス>

ジャケット写真が大好きです。なんというか非常に締まった表情で。
この歌はなかにし礼さんによる「恋にやぶれた女の描写」が仰々しくて、
なかにしワールド炸裂!の世界をピーナッツが「まかせてちょうだい」
くらいの気持ちで歌い上げてるという点を評価。
しかし、TVではどんな風に歌ってたんでしょうか。
想像つきません・・・。

ラ星さんからのレス>

インファントさん、ペース速い〜!
ウシオさん、
>TVではどんな風に歌ってたんでしょうか。
白っぽいロング・ドレスに拠る、“めくるめくロールシャッハ・テスト”
とでも言ったら、伝わりますか?
詳しくは、後日。(こんな短い書き込み、初めてのような気が。)

パンプさんからのレス>

「哀愁」という言葉を初めて覚えるきっかけになった曲だったように
記憶しています。
「悲しみ」の他に「哀しみ」という言葉もあるんだ・・みたいに。
その後に「愁い」だなんて、どんな心情なんだろう。
それが、彼女達の『ヴァレンティーノォ!』の切ない呼びかけで、
当時は、それなりに納得したものでした。
TVで歌っている姿は、そういえば数多く観た記憶はありません・・
暗いバックに、そう白いロング・ドレスで浮かび上がるように登場。
切々と歌い上げる二人に、ソロをとる時はそれぞれをパーン・・
だったような。
でも、今聴いても、あの『ヴァレンティーノォ!』は素晴らしい!!

<迷い猫さんからのレス>
>インファントさん
 ラ星さんに同じく ペースが早すぎるよぉ〜。
のんきな私には、ついて行かれませんから・・・お願い!
ちょっとだけペースダウンしておくなされ〜。
プレッシャーかかるとインファントさんの身体も、心配やしなぁ〜。
     (週一でええと思うけど・・・)
なかにし礼さん 作家に変身されたそうで・・・。(旧・作詞家)
彼の作品で1番と言えば、日本でミニスカートを流行らせた功労者
黛ジュンの「天使の誘惑」ですね。 ↑ツィッギーは、PR・別だよ。
まぁ あの頃のテレビといえば、彼女ダントツ出演だったし・・・。
すぎやまこういちさん 今の若い人は、ドラゴンクエストの人!って
100%返ってくるほど超人気! 交響曲「ドラクエ」なんだから。
昔からクラシック・レコード盤が、すり減るほど聞きたくっていた程
好きだったらしいですね(大物作曲家)。
私が彼を知った第1番の曲は、ザ・タイガースのデビュー曲
「僕のマリー」かな。
一連のタイガースのヒット作は、彼が大半を担当している。
宮川路線(作品)がほとんどだったザ・ピーナッツに彼が入り込む
なんて・・・沢田研二がいたのに・・・。
あれれ 私はいったい何を言いたかったんだろう・・・? 

ラ星さんからの追加レス>

もう、この曲に関しては、雑文で良ければ百枚くらいの論文が一本書けるぞ!
ってなくらい、好きなんです。でも、皆さんもお好きなようだし・・・。
とてつもなくワガママな言い方をすると、
「俺が愛した女の背中のほくろを、なんでみんな知ってんの!?」って感じ。
(×o×;)キャー
と言いつつ、69年の7月といえば、僕は由紀さんの「夜明けのスキャット」、
森山良子さんの「禁じられた恋」、トワ・エ・モアの「或る日突然」に
心を奪われていました。(多情!でも、もしかして全部、山上路夫さんの詞?)
そんな時、日曜お昼の『ロッテ歌のアルバム』に登場した「哀愁のヴァレンティーノ」!
ああ、なんという、ばかばかしくも神々しい曲名!
ヒット最前線の歌手たちが、みんなでそろって「はあ!?」って言いそうな曲調!
外側の手を軽く上にあげ、なにやら、蝶がはばたくようなアクションのお二人。
『歌のアルバム』でも、この上なく浮いていました。
確か、トリだったはず。(←蝶だろ!?・・・失礼。浮いてるのはワタシ。)
しかし不思議な事に、例の「ヴァレンティーノ〜!」という雄たけびは、
記憶にないのです。な・ぜ?
ともかく、「今聴いたのは、一体なんだったのだろう!?」と、
僕は夢遊病者のように自転車に乗って、海をめざし、
やがて激しい雷雨に襲われて、ずぶ濡れで帰って来るのです。
体に張り付いたシャツを脱ぎながら、まだ、歌が頭の中をぐるぐる回っていました。
今聴いても、
♪ 雨にぬれた 夜明けの舗道
♪ 遠くひびく 祭りの歌よ
というところで、遠雷の音と、遥かな稲妻に光る雲が見えるような気がするんです。
でも、更によく聴いてみると、オケがそれほどブ厚くないんですね。素晴らしい。
そしてピーナッツの、二人そろって微妙に遅れ気味に歌うという、超絶技巧。
二番の ♪色も・・・ の“い”の音の、なんという切なさ。
♪私ひとり・・・ の“り”は、逆に二人の声が微妙にずれて、
軽く巻き舌に聞こえちゃうってのも、たまらん!
この曲では、珍しく二人それぞれの個性が、ソロの部分に出ています。
(ま、実を言うと探せば他にもいっぱい出て来るのですが。)
二番の ♪恋が消えて・・・ の、愛しい人への情熱さめやらぬエミさん、
続く ♪ひとつひとつ・・・ の、悲しみにやや茫然自失気味のユミさん。
ユミさんは、一番の ♪遠くひびく・・・ の極めて無防備な歌い出しも素晴らしい。
(だって、この当時のピーナッツって「ガード、堅いかな」というイメージがちょっぴり。)
 
更に、ヴァレンティーノの“レン”は、テレビではもう少しねばっていました。
そして極めつけ。濡れた“なにぬねの”の発音が、夢のように次から次へと。
ああ、もう冷静でいられない。病室のアンカーさん、こうまで書くと、
なんだかヴァレンティーノ聴きたくなっちゃうでしょ!
うひひ。僕、いっぱい聴いちゃおっと。
あ、宮川さんのアレンジといえば、同時期に発表された梓みちよさんの
「渚のシャ・ラ・ラ」!
こーれが絶品なのだ!これでもかーって盛り上げていきます。
ぜ〜んぜんヒットしなかったけどっ!ふんっ!
あれれ 私はいったい何を言いたかったんだろう・・・?