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♪いろりの炎        1960.12
作詞・作曲:三木トリロー  

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★??? ★★★★ ★★★★* ★★ モノ

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この曲は初めて聴きました。
題名そのものも、ザ・ピーナッツが歌ったことも全然知りませんでした。
福島のたぬきさんが、☆ピーナッツ・ホリデー☆の掲示板にご投稿された時に
初めてそういう歌があったということを知りました。
朝6時50分頃からのラジオ東京の「田園ソング」から生れた曲です。提供は
三菱重工という国策的な物々しいスポンサー。
「あぁ上野駅」とか「皆の衆」とか、日本人の土の匂いのする歌が多そうですね。
考えてみれば、毎朝、ウィークデー(当時は土曜も含んでいた)に、ニッポン放送で
ザ・ピーナッツ今月の歌をやっていたわけだから、もっと早く起きてラジオ東京に
周波数を合わせれば、連続してザ・ピーナッツの歌が聴けるというわけだったんだ。
(あはは...今頃知ってもどうしょうもないけど)

ラジオ東京は今のTBSラジオですが、当時は、950キロサイクルだった筈です。
ちなみに、ニッポン放送は、1310キロサイクルでした。(と思うけど?)
それで、ふと思ったのですが、ザ・ピーナッツの文化放送の歌がBOXに入らない
理由なんですが、当時は、「1、1、3、0キューアール」って歌ってたんだけど、
1130Kc/s→1134KHzに変更になってるからピーナッツのCMソングは
まぎらわしいので流布したくないのかも知れませんねえ。(新しい視点だ:どこが)

この「いろりの炎」という歌はザ・ピーナッツにお似合いですね。
三木トリローさんの作風って、もしかしたらザ・ピーナッツにぴったりじゃないのか。
他のどんな曲にも似てないオリジナリティーがあるのが凄い才能ですね。
間奏のところが少し「悪魔が来たりて笛を吹く」のフルートの旋律と似ているのは、
クラシックの名曲のパロディー部分があったりするのだろうか?
こういうところは本当に音楽的教養がないので書けなくてもどかしい。

こうなれば心情的に考えてみると、ねえ、この世界に近くはないですか?……
唱歌の「冬の夜」に。

 灯火近く 衣縫う母は 春の遊びの 楽しさ語る
 居並ぶ子どもは 指を折りつつ 日数かぞえて 喜び勇む
 囲炉裏火はとろとろ 外は吹雪

 囲炉裏の端に 縄なう父は 過ぎしいくさの 手柄を語る
 居並ぶ子どもは 眠さ忘れて 耳をかたむけ こぶしを握る
 囲炉裏火はとろとろ 外は吹雪

最近はあまり積もらないのですが、子供の頃は凄く沢山雪が降ったように思います。
自分が小さかったから、うんと積もったように感じたのでしょうか??
雪が降るともう、たまんなく楽しかったですね。あれは何だったんでしょう。
かまくらっていうのを絵本なんかで見ると、うらやましいなって思ってたしね。
今じゃ、あ〜あ、また明日の通勤が思いやられるな〜なんてげっそりするんですが。
たしかに景色が激変するのは凄いですね。自然は偉大だって感じます。

雪国の人は大変なんだと思います。だから忍耐強いのかも知れません。
逆らえないもの絶対的なものが吹きすさんでいるなかでじっと我慢する心得が出来て、
すぐにキレたりしない強靱さが備わるのかも知れません。

しかし、キング・レコード録音の「録音が命」というソースと、それ以外の「これ、
残しておこうか」という程度のソースとでは音質に随分と差があるものですね。
せっかく残すんだったら「良い音質で」残せなかったものなのでしょうか?
だって、コストなんか、そんなに違わないでしょう。一応、音楽を録音したのだから
街頭録音みたいなものじゃない筈なんですよね。
何が違うのでしょう。テープ・デッキが素人臭いものを使ってたから? 違うよね。
もったいないので、テープ・スピードを遅くしたから? そんなことないよね。
安物を使えば安く上がるから、テープの質を落としたから? これも違うよね。
録音技師が下手だったから? それは絶対ないでしょう。
さあ、なんだか判らないなあ。使い過ぎてすり減ってしまったり、テープが放磁して
高音が消えたとか、保存状態がめちゃくちゃだったのかなあ〜。

ときかく、キング録音は宝物だということが一層クローズアップされたという感じ。
だって、何となく、「いろりの炎」って、AMラジオ聴いてる感じですよね。
それでも、どんな環境でも録音でもザ・ピーナッツの声は死なないのは凄いですね。
昔の歌手って、皆さん、そういう面があったようにも感じました。

(2004.12.6記)


ご支援者の方から、新しい情報と資料を頂きました。

「家の光」という雑誌の読者が作詞した曲を一流歌手が歌う、家の光/愛唱歌で
「田園ソング」というものらしいです。私自身はこの番組を知りません。
カラオケと同時に歌詞の朗読があったりもしたらしいです。
上記の随想では、朝6時50分頃と書きましたが、正確には6時30分のようです。
放送局をハシゴすると、一日に3回聴取することが出来たという証言もあります。

最も貴重な情報は、放送した年月がはっきり分ったことでしょうね。
昭和35年の12月です。若々しい歌声なので、これで納得です。
私はザ・ピーナッツ・ファンになった(自覚した?)のは、昭和36年7月以降で
ありますので、それ以前の出来事は伝聞でしかわからず、自信が持てません。

また、番組提供は三菱重工と書きましたが、正確には新三菱重工業です。
当時は、三菱日本重工業/三菱造船/新三菱重工業の3社に別れておりました。
敗戦後の財閥分割の影響ですが、後に合併して、今の三菱重工となっております。
したがって、この歌が放送された時点では新三菱重工業が正しいようです。

さて、更に貴重なのは下の資料です。よく残して頂いたものです。
ご支援者の方が、当時、番組へ楽譜を請求されて入手したとのことです。
私もNHKから楽譜を頂いたことがありました。
ラジオで楽譜の請求先を繰り返して案内してくれました。私書箱XXXなんて感じで。

(2010.11.17追記)