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♪ラ・ラ・ルー  1961.04
  LA LA LU
  原曲:Sonny Burke-Peggy Lee 訳詞:三木トリロー 編曲:宮川泰
  演奏:渡辺晋とシックス・ジョーズ
  録音:1961.02.18
   

一般知名度 私的愛好度 音楽的評価 音響的美感
★★★ ★★★★ ★★★★★

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とても素敵な歌ですねえ。
このLPを買った当初、これが一番好きでした。
ジャズのスタンダードという雰囲気まるでないものねえ。
その時は子供で無教養だったので(精神年齢は今でも同じか)この曲が
ディズニーの「わんわん物語」の有名な歌だなんて知らなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=V5xPNJ-kldI

この映画、学校の映画観賞会で観たような気がするのですが、観てないの
かもしれない。だってこの歌、全然記憶になかったのです。
それにこれシネマスコープでしょ。違うような感じだな、他のアニメかな?

さて、この長篇アニメ映画と三木トリロー(鶏郎)さんの関係なのですが、
三木さんはディズニー映画の大ファンで、三木ってミッキーをもじった名。
そしてディズニー側にも三木さんの名声は届いていて日本での音楽監修に
ご指名されており、作詞もされたわけです。
映画バージョンはナンシー梅木さんが歌って劇中歌のイメージがたっぷり。
同時にペギー葉山さんのカバー曲も出されており、こっちも正式認可盤。
このペギー葉山さんのバージョン。(3曲目です)
https://www.youtube.com/watch?v=8zR1GkRYHOc

音調が柔らかい。アナログレコードから録音されたようですね。
おまけにSHURE M44Gフォノ・カートリッジだからナローレンジで聴きやすい。
これ現役で売ってるんだ。驚いた。8100円だってさ。バカ安いよ。

ザ・ピーナッツ盤はこのペギー葉山さんの歌詞をベースにしています。
でも一部分だけ違います。
 愛し我が子よ(ペギー葉山)
 可愛いぼうや(ザ・ピーナッツ)

ちょっぴり時代が違うので、こうしたのかしら?

ラ・ラ・ルー(LALALU)というタイトルも不思議ですね〜何語なの?
意味はないみたいですよ。
大人が幼児に話し掛けるときによく使う赤ちゃん用語じゃないでしょうか。
チッチ出たのかな? ポンポン空いたのかな。いないいないばあ。
正しい日本語じゃないけど、赤ちゃんに使ってるでしょう。
それと耳障りじゃないので赤ちゃんに優しい。濁点とか無いでしょう。
ねんねんころりよおころりよ、なんていうのも耳に優しくて眠くなる。


ユミさんが姉さんの赤ちゃんにラ・ラ・ルーを歌ってあげてるイメージ。


こちらは私の孫のユミちゃん(左)エミちゃん(右)。
ザ・ピーナッツとは逆でユミちゃんの方がお姉ちゃんです。
遊んでる最中に二人揃って睡眠突入か(笑)。可愛いなあ。寝る子は育つ。

同じような赤ちゃんでも睡眠導入の際には個性があるようです。
娘の場合は抱っこして、とにかく歩き回ると良く寝た。上下動が好きなのか?
ゆみちゃんは揺りかごのように横揺らしが好きで、耳元でカサカサ音が鳴ると
安心して寝れるらしくペットボトルに細かいものを入れて鳴らしてあげた。
えみちゃんは縦抱きでないと寝ない。顎を肩に乗せる感じが好きみたいだ。
共通するのは一旦寝るとまず起きない。夜泣きというのはほとんどしない。

パソコンにもスリープというのがある。
新しいパソコンはちょっとマウスに触れるだけで起きてしまう。
家内が部屋の掃除するだけで目覚めるので、一々寝かせるのが面倒であります。
15年前のパソコン(今、書いている)は。そうじゃなく起動ボタンで起こす。
この起動ボタンはスリープ中はホワホワッとホタルのように淡く点滅していて
いかにもウトウトしてるようで可愛いし、スリープ中だというのがわかる。
新しいのはこういう風情がないし、電源オフと見かけ上は同じにしか見えない。
これはむしろ機能が退化したとしか感じられない。アップルしっかりしろ!

随想とはいえ脱線しすぎた。ラ・ラ・ルーに戻ろう。
いかにもララバイという感じで優しい優しい歌唱と演奏です。
もう必要最小限度という楽器構成でもあり、尖った音色は出さない、
松宮庄一郎というギタリストの腕前には本当にいつも感心しているのだけれど、
音色の適切な選び方は天才じゃないかと思うのです。
間奏をピアノの宮川さんとユニゾンで奏でるのですが、夢の国に誘う響きです。
フルアコースティックの電気ギターの音色を臨機応変に変化させ、表に出ずに
とても大切な音を付加している。ザ・ピーナッツのレコードの価値倍増である。

ザ・ピーナッツの歌声の素晴らしさは当たり前すぎて特筆するべきじゃないが
この録音での二重奏はまた魅力がたっぷりだ。
一人の歌手ではいくら上手くてもこの味わいは出せない。
単調になりがちなこの曲での効果は見事であり、曲の良さが際立ってくるのだ。
CDだと途中の曲のようになるが、LP盤だとA面の最終曲なのです。
いわば第一部のフィナーレ。第二部の夢で逢いましょうと好一対を成している。
夢であなたに、というアルバムタイトルに相応しい素敵な曲です。

(2015.07.31記)