心の窓にともし灯を

先日永眠された中田喜直さん作曲の小学校教科書に載せてもいいような佳曲です。
ただ、現代の子供さんたちには実感や共感が得られない歌詞かな、とは思いますね。
「いじわる木枯らし吹きつける、古いセーター、ぼろシューズ」とか、
「ポッケにゃ何にも無いけれど、かじかむ指で灯しましょう」
と書かれていても現実感がわかないでしょうし、
「暖炉を囲んだ歌声を遠く聞いてる..」経験も、 「泣けてくるような夜…」を
過ごしたこともないと思います。
当時小学生だった私でも歌詞のような惨めな境遇ではありませんでした。
だから、この曲には昭和34年という時代的背景だけではなく「伊勢湾台風被災」
「歳末助け合い運動」というようなキーワードが絡んでくるのでしょう。
実際に歌詞のようなご体験をされた方々は「希望がほのぼの湧く」思いをこの歌で 感じられ、
それはすごく思い出深いものだったでしょうね。
我が家だけでなく日本全体がまだ貧しい時代でしたから、
レコードを買わせてくれた 親に感謝しなければ、とつくづく思う今日この頃です。

現在は音楽媒体のコストが非常に安く(他の物価に比べてですが)なって手軽に
買い求めることが出来ますね。ピーナッツの曲だって恐らく当時のシングル盤を
買うような実感金額で「シングルス」の2枚組CDが買えるでしょう。
だからといって一曲一曲を単純に聞き流してはピーナッツさんに失礼です。
レコードを吹き込むというのは当時は大変なことだったんです。
あ、いいかも、と簡単に買ってもらえる時代じゃないですからね。
一曲一曲真剣勝負なんです。
そういう時代にもかかわらず、このような売らんかな、ではない曲を
たとえB面であっても収録したキングレコードの姿勢は素晴らしいと思います。
(褒め過ぎかな)

ピーナッツさんはお嬢様育ちですから「心の窓にともし灯を」的な経験をされている
筈もないのに何故か切々たる歌唱に心うたれます。どうしてでしょう。
それは「芸」の力でしょうか、私は失礼ながらそんな演技力はない、
と思います。 基本的に心根がお優しいのだと思います。歌声は嘘をつけないと私は思います。
技術ではない、誠実なお二方の声音そのものが見事に曲にフィットしてるんです。
こういう比較はしちゃいけないかも知れませんが安田姉妹のCDよりもピーナッツの
唱歌の方が気取った感じでなく(私は)心暖まる気持ちで聞けるんです。
こういうジャンルのピーナッツの歌も本当に素晴らしく、とっても好きです。
NHKテレビ歌謡の姉妹曲には「いつも心に太陽を」があり、レコード化もCD化も
されています(こちらも素直ないい曲です)が「いつも心に歌声を」という歌もあり、
これはレコード販売はされず、私は聴いたことがありません。(無念!聴きたいです)
2000年7月10日

I’LL SEE YOU IN MY DREAMS…夢で逢いましょう

LP「夢であなたに」の最後の曲です。
シャボン玉ホリディのエンディングが終わってピーナッツがまた来週までさようなら、
と去って行ってしまった、あの切ない甘酸っぱい気持ちと相通じるような曲調です。
「夢で逢いましょうね」…そうか、夢なら逢えるんです、何度でもね。
でも思いつめてもそう都合良くピーナッツの夢を毎夜見ることは叶いません。

よく見る夢はUFO大襲来なんです。最初は「あれ、もしかして空飛ぶ円盤か!」
と いうところから始まり、周りの人に警告するんですが、やがて上空を無数のUFOが、
という展開になる定番?で先が自分で判る三流SFもどきの変な夢…。
次に多いのがゴジラ襲来。町並み越しにいるんです奴が、それも何故か私をあの眼で睨んでいるんです。
バイクで彼の進行方向から横へ横へと逃げるのですが見透かしたようにあいつもコースを変えてくる。
俺を追っているわけじゃないよな、違うよな、と焦って逃げながら振り向くと、眼が合ってしまう。
おお、恐い。モスラが救援に現われたこともありますが、残念ながら小美人達は登場しません。
ストーリー性があって色々なバージョンがあるので眼が醒めても暫くは覚えている。
そこで朝食の時に娘に出来事?を話すとフンフンと結構受けるのだが、奥さんが、
「まったく何考えて生きているんだろうねえ。さ、早く食べちゃわないと」
と呆れたように水を差す。さっきモスラの頭に乗るのを手伝って助けてやったのに、
恩知らずな女だ??(やっぱり何考えて生きてるのか判らんなあ、私は)
娘は夢で中国大陸へ出張してアニメの太公望や三蔵法師と活躍しているらしい。
さすがに血は争えない? 私の方はまだアニメキャラと共演出来る程飛躍出来ない。

さて、ピーナッツの夢だが、残念なことに夢の中でも身近な存在ではなくテレビの番組の夢ばかりなのだ。
でも長篇で、フルコーラスしっかり歌ってくれるんです。
他には、今でも時々夢で、持っていないレコードを売ってるのを見るんです。
シングルじゃなくて33回転のコンパクト盤に未発表曲がゾロゾロ入ってる。
ジャケットの写真はちゃんと色がついていてとても生々しい夢。

「ピーナッツのラテン・スタンダード」という30センチLPの夢も見ました。
ピーナッツがリオのカーニバルの衣装で可愛いヘソ出しジャケット。
夢じゃなくて絶対にこういうのなくちゃいけない!!(勝手に興奮するな)
若い頃の思いが夢になってると思います。だから、CDなんか全然登場しません。
「ピーナッツのラテン・スタンダード」 皆さんもこれ、欲しいと思いませんか???
「ザ・ピーナッツのヘア・ヌード発売される!」仰天して眼が覚めると凄い動悸。
高血圧治療中なのにこれは身体に悪い。しかも畏れ多くも複数回ありました。ち
ゃんと写真見てる。頭の中でコラージュしているのだ(この不届き者めが)。
いや、まったく男ってどうしようもない生き物ですねえ。(お前だけだ)
2000年12月3日

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