| いじめ撲滅の特効薬とも思える本を買いました。
* 出版社 : 朝日新聞社出版局 * 出版年 : 2006.09 * 税込価格 : 1,050円 プロローグ「学校は涙であふれている」 第1章 いじめを即刻、停止させるには? ・学校で襲われた女子中学生の悲劇 ・少年院の教育で鬼畜たちは人間に戻るか? ・いじめの実態は「恐るべき犯罪」、学校は全くの「無力」 ・学校が”いじめ”を見逃したために被害者は「自殺」 ・「シャモリンチ」など、いじめの手口は巧妙・残酷 ・”葬式ごっこ”から20年、なぜいじめは続くのか? 第2章 「鬼畜の心」に人間教育は通じない ・人間教育では「いじめ問題」を解決できない! ・小中学生に広まる“いじめ”が原因の深刻なうつ病 ・フリースクールは「不登校」の子どもたちの避難所 ・「いじめ宿命論」が被害者救済を阻み、いじめを助長する ・いじめと対決する教師たちの深刻な力量不足 第3章 いじめは犯罪だ ・いじめとはまさに“学校犯罪”なのだという認識をもつこと ・学校から去る被害者、居座る加害者という矛盾 ・警察力を学校に導入し、断固たる少年司法で裁く ・いじめられた生徒を守るため、加害生徒を退学処分に 第4章 こうして「いじめ」は消滅する ・アメリカ教育界はなぜドッジボールを禁止するのか? ・「ゼロ・トレランス」(不寛容)方式の衝撃 ・スクールカウンセラーとスクールポリス ・「君を守り隊」の成功 ・これが切り札! いじめ情報収集部と校内パトロール部隊 ・え、小学生でも少年院に入れちゃうの? ・被害生徒の視点に立てば、加害生徒の立ち直りは二の次 ・歴史に埋もれた「人権主義」の正体 ・やがて「人権=犯罪者の権利」という図式が出来上がった ・最終解決は人間教育か、正義のルールか 座談会 「お父さん、この学校にはいじめがないんだよ」
読物としての本の出来自体は余り上質とはいえないかも知れないし、中身ももっと 濃いものを期待したが、熱意だけは十分に感じ取ることが出来た。 もっと小冊子にして学校や教育委員会、警察などに配布したら良いかも知れない。
本書の主旨は全く曖昧な表現がなく、明解である。 『いじめ=犯罪に対しては,ためらうことなく警察力を導入し,断固たる少年司法で 裁く必要がある』というものであり、まったくもって同感だ。
いじめがなくならない根本的原因については、東京都知事や金八先生役の俳優が言う、 「少々のことでへこたれない精神力を養いなさい」という「いじめ」自体を肯定した 発言が代表格である。いじめられるのも勉強のうちだという、いじめ加害者を野放し にすることを世間に影響を与える立場の人がほざいている限り、いじめは不滅なのだ。 いじめの犯人への断固たる裁きがなければ、いじめはなくならない。
この本の感想をネットで見つけた。 いじめとは、学校問題などではなく、刑事事件なのだという著者の主張には全面的に 賛成。学校には捜査権がない。確信犯のいじめに対して学校の取れる選択肢は多くは ないのだ。悪質ないじめに対して、躊躇せず警察へ通報せよという著者の主張は、 ”人間は分かりあえる”と教えてきた教育学者達、「思いやり」や「命の大切さ」を 教えるべきだと叫ぶ人権派マスコミには受け入れられないだろうけれど、現実と向き 合っているのはどちらなのか。
いじめ自殺者は毎日のように発生し、今日も相変わらずテレビで、人の気持になって、 いじめをなくそう、というスタンスで番組が作られていた。 加害者をどうするのかという、本当のことを誰も言えないのだ。 「加害者」を駆逐していくような報道は全くないのである。 加害者の心の救済など(無駄だろうが)、あとでゆっくり時間をかけてやったらいい。 すぐにやらなければならないのはいじめ犯罪の捜査をし、犯人を捕まえることなのだ。 |