オジサンによるオジサンのためのCD−R講座(3)
☆アナログ音源(レコードなど)からCDを作ってみよう(その2)☆
まさか、「その2」が登場しようとは思わなかった。でも、これ事件なんですよ。
ところで、最初にお断りしておきますが、私は今でいう「オーヲタ(オーディオ・ヲタク)」
昔風に言う「音キチ」ではないつもりです。そんな潤沢な資金は持ち合わせておりません。
しかし、出来るだけ音楽を聴くのに相応しい状態にまで、手間と知恵はかけたいと思います。
ただ音が鳴っていれば良いという人々とは違うという自覚はあります。
1.なにが起きたのか?
「☆アナログ音源(レコードなど)からCDを作ってみよう☆」で整えていた機材の
一部を更新(追加)したのです。
それは、ついつい店頭で買ってしまう雑誌「ステレオ」2006年9月号の記事に、
「これぞ、オーディオの原点!?…………自分でこなす録音から編集まで」という
コーナーがあり、HDD/CDレコーダー(唯一の製品)が紹介されていました。
私のために作った機器ではないので(当たり前だが)、多機能ではあっても、
私が使いたい機能部分の特徴だけを採り上げてみる。
なにやら手持ちのADコンバーター(その1で紹介済み)より高級そうに見えるし、
雑誌ステレオでの評価も良さそうであった。(↓)
CD−Rの焼き込み方が異なるようで、これで本当に音が良くなるのか興味深いが、
雑誌ステレオでの評価も効果があると書いてあった。(↓)
2.騙されたと思って(笑)買ってみた。
まず驚いたのは、その機械の大きさ。立派なオーディオ機器の風格がある。
プリアンプの発熱が大きいため、下敷きにしてしまったが、奥行きも深い。
アンプの右上にちょこんと載っているのが従来のADコンバーター。
小さいからダメということはないのだが、玩具のように見えてしまう(泣)。
ちなみにCDP−HD1500の上に載っているのがプリ・アンプなのだが、
これはレコードを辿ったカートリッジの微弱な電圧を増幅することと録音の特性を
逆補正する回路が入っているだけで、ここにはスピーカーは繋げない。
大きな電流を扱ってはいない装置だが、半導体の性能の良いところだけを使うため、
いつもウォーミングアップしている状態なので、発熱量はかなりのものである。
半導体は温度で性質が変るため、むしろ一定化する良さもあると思われる。
このアンプは我が家の電気製品では最年長。1982年から使っている。
それでは性能は劣化して使い物にならないのでは、という懸念もあるのだが、
2年前に買った安物のプリアンプと音を比べてみると格段の差がまだまだ存在する。
当時のDENON(電音)の使用部品の卓抜さがわかろうというもの。
3.録音してみた感触は?
この機器はコンピュータ周辺機器ではなく、オーディオ機器。
したがってパソコンを使っての録音モニターが出来ません。
装置のディスプレイだけが頼りなので、使い勝手はあまり良くはない。
しかし、レベルの表示は同等に出るので、ピーク管理は難しくはない。
ハードディスクに収録した状態で。ヘッドフォンで音楽を聴いてみた。
これは正直いって、頂けない。ヘッドフォン・アンプの性能が低い。
イヤな音はしないのだが、甘ったるく解像度が低く、音質をモニター出来る
代物ではないな、と感じた。
こんな音でハードディスクに入っているわけがないことは推察出来たので、
ここは一気にCD−R焼きまで行ってしまわないと評価出来ないと思った。
ここでは通常モードでの作成を行うことにした。
「オーディオマスター機能」を併用してしまうと、録音だけの音の性質が
わからなくなってしまうからだ。
その結果。
意外な感触の響きが聴けた。どこか懐かしい。
昔、アカイとティアックのオープンリール・テープデッキを持っていた。
そのティアックで住友スリーエムのテープを使った録音のような響きがした。
対極がアカイとTDKの組み合わせだった。(どっちも好きだったけど。)
派手さがないのだが、中音部がこんなに良いものだったのかと思えるような
聞き惚れる良さがある。低音は土台ががっちりして頼もしく聴こえる。
高音が伸びていないわけではない。ちゃんと入っているが高音があるのだと
いうことを忘れてしまい、音楽が鳴っているという感じになったのだ。
ただし、録音の性能が良いのか、基本的なCD−Rの焼きつけ性能が良いのか、
その区別はこんなテストでは判別がつきません。
以前の機器(↓)と同じソースを使って試してみました。
この機器(ONKYO MSE-U33HB)で収録したものでも悪くはありません。
これだって、オーディオメーカーのオンキョー製なんですから。
どうも持続音の美しさで、ヤマハに軍配があがるという感じでしょうか?
持続音が多いタイプの音楽やボーカルに向いているような気もします。
4.オーディオマスターの効果を聴いてみる。
いきなり結論から書いてしまおう。
<ヤマハの技術者はクラシック音楽マニアだ>そう感じた。
クラシック音楽において、これは際立って素晴らしい。圧倒的だ!!!
どんなクラシックのCDでも良い。これでダビングして聴いたら驚きますよ。
なんて自然なんでしょう。
これがCDの音なのか? 本当に我が家のCDプレイヤーで鳴っているのか?
ザ・ピーナッツ・ファンですから、もっとザ・ピーナッツのCDで差を付けたい。
そのように期待はするのですが、そんなには違いません。
弦楽器が魅力の「こっちを向いて」とか、微妙な音が美しい「大阪の女」などで、
しっとりしたアコースティックな響きが聴けますが、「恋のバカンス」などでは
パンチ力が柔らかくなる面があります。
また、これは個人の美感の問題かも知れませんが、ザ・ピーナッツのレコードは
全体に楽器のマイクはオフ(楽器から遠ざけている)なので、ホールトーンという
間接音、残響音が音楽を美しくしているのだという点に気づかされます。
音と音との間の余韻がいいですね。これは昔の録音の方が綺麗だと感じます。
もしかすると「オーディオマスター」という機能は超高級CDプレーヤーでは、
意味がない機能なのかも知れません。
読み取り性能が極めて優秀ならば「読み易さ」を向上させなくても良いかも知れません。
また、逆に極端に廉価な機器ではオーディオ云々以下のレベルなので、音質の違いは
これも判別不能なのかも知れません。
私の環境下での感想ということにしておきたいと思います。
私のプレーヤーは「ザ・ピーナッツ・ドリーム・ボックス」のCDアルバムが出た時に、
これを聴くために購入したので16年目、まさに前世紀の遺物的存在。
世の中にはもっと高性能なものがたくさん出ている筈ですが、私の比較対象はアナログの
プレーヤーからの音なので、音の品位という面で、この機器は棄て難いのです。
当時のお店では一番大人しい音でした。何がいいのかわからないところがいいと思いました。
アナログと同じ環境で鳴らしてもまったく違和感がないのです。
数年前にメイン・アンプが壊れてしまい、代替機が届くまでの間、ヘッドフォンで聴くことに
なったのですが、その時、初めてヘッドフォンをアンプじゃないプレーヤー直挿しをしました。
その音があまりにも素晴らしいので、びっくりしました。
おまけで付いている端子とばかり思い込んでいて、10年以上も使わなかったんです、これ。
それで、このヘッドフォン回路がけっこういけることがわかったので、ヘッドフォンも新調し、
夜はもっぱらこれで(↓)楽しんでいます。
この簡潔な環境でさえ、オーディオマスターの効果は歴然とわかります。
他のプレイヤーでは、どうでしょう。
SACDもかけられるDVD兼用機でも聴いてみました。
こちらの機器では、もともと聴きやすい音であり、凄く良くなった感じはありません。
骨格がしっかりしてきたなという程度の違いでしょうか?
デジタル・オーディオの世の中になって、一番の問題は聴きやすい音になったこと。
とにかく、雑音や歪みが無くなって、どんなグレードの機器であっても聴きやすいのです。
だから、不満が生じないので、これでいいや、ということになってしまいがちです。
それはいいことなんじゃないの? なにか問題があるの?
そうなんですよね。問題がない、問題意識が生まれない。幸せだけど、そこが問題。
食べやすい料理は、本当に美味しい料理なのか? もっと旨いものは要らないのか?
口説きやすい女がいいのか? もっと大変な苦労が伴っても素敵な女性はいないの?
やりやすい仕事。それで満足なの? 乗りやすい車。それだけが魅力じゃないでしょう。
もっといい音で聴きたい。そんな渇望感を抱きやすい(ある意味、気の毒な)人には
お薦めしたい機器だな、というのが率直な感想でした。
5.使いやすい機器ではない。
この機器には(私のHDで250GBの場合)、390時間という曲の保持が出来ます。
圧縮音源ならこんなの当たり前ですが、こちらは純正16ビットの非圧縮サウンド。
ザ・ピーナッツの音楽など当然、全部入ってしまいます。
ジュークボックス的な使い方も出来るでしょうが、この機器では選曲が大変です。
一番のお薦めは、音楽放送からのエアチェックなのかも知れません。
連続180時間の録音が出来ますから、留守でもOK。
しかし、私の目的に供するためには、手間と無駄が大きいのです。
レコードからの録音手順を書きますと、
1、ハードディスクに録音する。
2、ハードディスクから一旦、CD−Rにコピーする。
3、CD−Rからパソコンに音楽ファイルとしてコピーする。
4、編集する。
5、パソコンとCD−R機器で、マスターCD−Rを作成する。
6、オーディオマスター機能付加で、CD−Rを複写する。
こんな手間がかかり、CD−Rも無駄になります。(CD−RWを使う手はあります)
こんなに手間と費用をかけてまで、やる価値があるのか。
そこが趣味&道楽の世界なので、楽しめるなら無駄が単なる無駄ではなくなります。
音楽には色々な楽しみ方があります。
楽しむ場に相応しい音質もあります。過剰なスペックが邪魔になることもあります。
iPODなどはその需要を的確に見極めた素晴らしい商品です。
ただ自宅でじっくりという場面では更に良い音で聴きたいと思うことでしょう。
そんな時はやっぱりCDで聴きたいものです。
旅行とか持ち歩きとか車載用とか、CDを複数コピーしたい場合にも向いています。
パソコンとオーディオとどっちにも興味がある人でないと使いこなしは難しいのかな、
という気がします。オジサン向けだったかな? という疑問は私にも生じました。
6.注意事項
この機器では、音楽用CD−Rのみに書込みが可能です。
(音楽用CD−R:私的録音補償金加味媒体)
この機器の定価には、私的録音補償金がプラスされています。
(私的録音補償金:著作権法に基づく)
この機器にデジタル音源を書込んだ場合、それをCD−Rに書き出すと「移動」となり、
HDD内のデジタル・データは自動的に抹消されます。(これも著作権法に基づく処置)
従って、連続的な複写や、複数の編集アルバムを一度に構成出来ません。
7。何故、オーディオマスター機能で音が良くなるのか?
何故、CDプレーヤーで音が違うのか?
何故、CD−R媒体で音が違うのか?
これら、前回疑問だった事柄にまた新しい疑問が生じました。
何故、オーディオマスター機能で音が良くなるのか?
それに、噂なんですが、CDの製造のためのマスターと実際に販売されるCD盤は
明らかにマスターの音質の方が良いのだとか。なんでだろ?
「0」と「1」しか無い世界が、まるっきり怪談の世界となっている。
記録信号のバラツキを補正し「ジッター」を低減させることがオーディオマスターの狙い
であることが説明されています。
しかし、そのような事象が起きることは想定してCDの規格を決めたのではなかったのか?
音楽CDも普通のCD−ROMも記録密度は同じである。
結果として画像や動画、テキスト、プログラムなどなど、全部正確に読めている。
誤り補正の仕組みも音楽CDにも存在する筈だ。
違うのはリアルタイム性ぐらいだろうが、ちょっとバッファーを持たせれば解決する筈だ。
読取り信号が「0.002」ならば「0」にし、「0.998」なら「1」にしてしまえば良いだけだ。
これが何故出来ないのか?
出来るけど、それをやることでノイズが発生して音声回路へ洩れ出すのか?
また、デジタル処理後、音声信号出力には必ずフィルターが必要なのだそうだ。
高い周波数で、ノイズが入るので、カットしなきゃならないが、ここに色んな工夫があり、
物凄く高度なことをやる場合もあるから非常な高価になるとか?
問題点が複雑で対応も色々とあるところは、昔のアナログ・プレーヤーそのままである。
高価なCDプレーヤーは何百万円もするが、それでもパーフェクトではない。
理論的な目標に限りなく近づいているだけだ。だから改良版がまた出て来る。
携帯型のCDプレーヤーはその点、理想とはかけ離れた存在なのであろう。
それでもフィルターを思いきりかけてしまえば、音楽の聞き処も消えるがノイズも出ない。
技術的な大ブレイクをどこかのメーカーが起こして、せいぜい5万円程度で立派な音がする
CDプレーヤーを出せないものであろうか。
問題がわかれば、90%は既に解決したことと同じだとよく言われる。
ということは、CD登場以来、世界中の技術者が、揃いも揃って無能無策なのであろうか?
それとも、わざと価格差が生じるように解決させないのであろうか?
CDプレイヤーに関して言えば、普及品も高級品も超高級品もスペックは同じ。
音の品質の違いを表す物差がないのだ。評価する計測器がないのだ。
それでも全然音は違う。大概の人はマニアでなくても気づくほど違う。
デジタル時代になって、この辺の謎はいっそうわかり難くなった。
理屈が納得出来ないが、音は良くなっているのは大変に薄気味悪いのです。
ちなみに、まだ2種類しか確認出来ていませんが、オーディオマスター機能での書込みでは
CD−R媒体での音質(音色?)の差が従来ほどには検知出来ないような状況になっています。
(音楽用CD−Rしか書き込めないので、普通のCD−Rでの差はわかりません)
8.その後の感想(使用20日目)
すこぶる快調であり、半導体などのエージングが進んだせいか、ますますの
妙音を創出する機器だという確信を持つに至っている。
ハイエンド・オーディオの世界とは収入の面から無縁ではあるが、40年以上の
キャリアが私にはあり、オーディオとはどういうものかという信念は持っている。
オーディオ機器は何処を触っても交換しても「音は変る」のである。
高価な機器ほど、それは顕著に聴き分けられるが、単に変化したということと、
クオリティが上がったという面の判断は長い経験がモノをいうのである。
使用している機器間の音色上の相性もあって、普遍的に音質の品位が上がったと
明言出来るような事象はよほどの向上がない限りはうかつに口には出来ないのだ。
しかしながら、このCDR−HD1500の効能は素晴らしい。
再生音の品位を聴き比べやすいジャンルの音楽においては目覚ましい効果である。
この効果が「オーディオマスター」という機能によるものかを分析することは
ユーザーには難しい。もっと陳腐な機器で「オーディオマスター」のみを採用し、
それでも効果があるならば、この仕様によるものと判断出来るが、そんな実験を
する必要も感じない。私はオーディオ評論家ではないのだから。
経験的に音質そのものが向上した場合、
1.喧しい感覚が消失する。
2.高音が、低音が、どうのこうのではなく「音楽」が鳴り出す。
3.感覚的に音楽がゆっくりと聴こえる。(もちろん同じスピードなのに)
4.溶け合う響きは溶け合い、際立って欲しい音は明確になる。
5.音に陰影が付き、制作者が目論んだ主要なフォーカスが明晰になる。
6.音色にこれといった特徴がなく、物足りない感覚も伴う。
総じて「大人しく」なるのである。
スピーカーの物量やパワーに大金を投じるロック系の音楽でいうところの向上とは
ニュアンスが違う。それは目的が違うので全く別に考慮すべきであり、それ系統の
音楽ファンには、辿る道筋が異なる。両者を満足させる機材は著しく高価になる。
一聴して平板で物足りないような感じにはなるのだか、音の深みが違っているのだ。
五月蝿かったり喧しかったりする感覚がないので、知らず知らず音量を上げていた。
そういう響きが本物なんです。自然の音に忠実になることが良い音だと思えます。
「CDはこういう鳴り方をするのが本当だったんだな」ということが、オーディオ
マスターでダビングしたCD−Rから聴こえてきます。
もしかすると、過去一度も聴いたことのないクオリティでザ・ピーナッツの録音を
聴いているのではないか、と、慄然とする思いです。
もちろん、ある面ではアナログレコードのプレイバックでしか聴けない響きもあり、
絶対に全ての面で過去に耳にした音質を超えたとは断言出来ませんが、総合点で、
レコードもCDをも凌駕する高品質の音が聴けたのです。
空想として、実際には買えないけど(買うお金がないわけではないけど生活費との
バランス上非常識なレベルとなるから)、50万円以上のクラスのCDプレイヤー
だとこんな音が聴けるのかしら、と夢みていたような音質が毎日聴いていた現用機で
奏でられるのですから、頬を抓ってみたくもなります。
またこれはこれで、もっと上質なプレイヤーだとどういうことになるのか、と欲望は
果てしなくなるので、そこは抑えなくてはなりませんが……。
ちなみに当機は、読み込みする際にはメディアを選びませんが、書込みが出来るのは
音楽用CD−R、音楽用CD−RWだけに限定されています。
(私的録音補償金:改正された著作権法に基づく)
当機の場合、価格に含まれる1000円がメーカー出荷時に支払われている筈です。
(機器の価格の3%か、1000円の安い方の額が適用されるのです)
また、音楽用CD−Rの価格には、3%が上乗せされて出荷時に徴集されています。
定価ベースではなく(実売価格を考慮したのか)ほぼ半額に対する課金です。
この金額は、次の協会に分配されます。
私的録音補償金管理協会(20%)、社団法人日本音楽著作権協会(残りの36%)
社団法人日本芸能実演家団体協議会(残りの32%)、社団法人日本レコード協会
(残りの32%)→これらの協会への天下り理事さんのお手当になるのかしら?
何人居るのか知りませんが既得権利として、それぞれ10〜20人位がおこぼれに
あずかって高級住宅地に豪邸を建てベンツなどを所有して遊んで暮らすのでしょうね。
我々貧乏人から金を強奪する仕組みを考えて、国も認めるのだから始末が悪いなあ。
大昔、オーディオ機器には物品税が課せられていました。テープレコーダーなども、
学校で買うのと個人で買うのとでは価格が違っていたのです。
個人で使うオーディオ機器は贅沢品だから、というのが、その理由でした。
音楽を聴くなんてのは、道楽の類いであって、生活に必要のないものというのが、
当時の国の判断だったのでしょう。文化国家とも思えない考え方でした。
私的録音補償金管理協会の存在の目的は「文化の発展に貢献すること」なのですが、
そのために音楽を聴く人から金を搾り取るというのはどういう了簡かわかりませんネ。
「文化の発展を阻害し、音楽を締め出す」ことが目的のような気がするけどなあ。
赤字ぎりぎりで運営しているクラシック・オーケストラへの助成金に全て充当すると
いうのなら喜んで負担しますが、なんだか良くわからない使途だと数年後に横領とか
事件の芽になりそうな気もします。こういう収入は税収と一緒で泡銭だからネ。
さて、こんな下世話な情けない話はさておき、やはりこの機器はステキです。
何かの賞でも差上げたいほどです。
オーディオマスターで焼いたCD−Rは、アナログ・レコードの音色に近づきます。
一方、当機でアナログ・レコードから作ったCD−RはCDの音色に近づきます。
これはとても面白い現象。お互いの良い所をブレンドし合ったような感触なんです。
言い換えると欠点を払拭しているとも思えます。
音楽用CD−Rのメーカーも複数社ありますが、全て試してみるというような趣味は
ないので、そういうレポートは書けません。
なるべく格安にということで、量販店でスピンドルケースで売っていた2種類だけで
比較してみます。(CDケースは樹脂製品卸の会社から200枚単位で買いました)
●That’s(太陽誘電)スーパーシニアン系色素メディア/日本製
立派な音質で堂々たる再生音が聴けます。偏りがなく、これぞ標準という感覚なので、
これさえあれば、もう他は要らないのではないかとさえ思えます。
●Phono−R(フォノアール:三菱化学)スーパーアゾ系メディア/台湾製
なんとも情け深い音質で、これにフィットすると他の追従を許さない感じがする。
低音がモリモリ鳴る面もあるので、このバランスを上手く使えば本当にアナログ風の
しっとり感を醸し出せる。趣味の良い響きだ。一方、滑らか過ぎる感じもある。
僅かなロットだけで不良が出たことがあり、オーディオ雑誌などでも取り上げられた。
http://www.mcmedia.co.jp/japanese/news/info/0011.html
Phono−Rのスピンドル品が店頭から消えた。手持ちが少ないので大切にしたい。
(スピンドルケース品も同等と思いますが単一ケース品なら安心かも知れません)
長いオーディオ人生(そんな大袈裟なものじゃないけど)の中でもこの機器の登場は
画期的な出来事だったと感じます。そんなのありぃという面もあります。
こんな高価な機器は手が出ないよ、なんて、貧乏臭いことは言わないこと。
貧乏人だからこそ、貧乏臭いことは口惜しいから言わないようにしています。
ザ・ピーナッツのCDを中古で安く買ったとか、海賊版で安かったとか、情けない。
正規の商品を新品で買わないとキングレコードの売上が伸びず、新しい企画が出ない
ことにもなるんです。私は意地でもリアルタイム商品しか買いません。
私は下戸なんで、宴会以外は酒を飲みませんが、金が無い、金がないと言いながらも、
勤め帰りに必ず一杯やってから帰宅するという人が凄く多いのです。
安い行き付けの店なんだと言い訳みたいにおっしゃいますが、実際に私が払ったら、
やはり数千円はかかるようなんですね。これでは月に直すとかなりな高額です。
パチンコやスロットなんかも馬鹿になりません。
10万円稼いだなどと勝った時だけ話題にしますが、絶対に儲かるはずがないのです。
「馬で金儲けしたヤツぁないよ」と歌われているように、競馬、競輪、競艇もダメ。
こういうのを無駄遣いというのです。
ストレス解消のための必要経費だなどと自己弁護する人も居りますが、ストレスは
逆に蓄積するからこそ妻子に八つ当たりしたりするのではないかと私は感じます。
これだけ高品位でアナログレコードからCD−Rを作る事が出来ると些細な響きも
大切にしたいという気持が生じました。
こんな商品を注文してしまいました。
↓
商品名:DL-103用カートリッジスペーサー
型番:SP-DL103
数量: 1 単価: \3,340 金額: \3,340
--------------------------------------------------
商品名:ターンテーブルマット(DENON中心径105ミリ用)
型番:THT291-105
数量: 1 単価: \6,940 金額: \6,940
--------------------------------------------------
2〜30年前から存在しそうな品物です。どこか懐かしいけど、新素材なのかも。
ほとんどわからないレベルですが、レコード外周で低い雑音が聞き取れますので、
これの対策として注文してみました。効果は疑問ですが楽しいからいいのです。
アナログもデジタルもとにかくオーディオは面白い。
そういう感覚を久々に蘇らせてくれる機器が、CDR−HD1500です。
(2006.10.4追記)