ハイレゾだよ ピーナッツ!
ハイレゾについては、第二掲示板で2007年に色々と書いております。
ハイレゾが提唱される前なので、ハイレゾそのものではありませんが、SACDを
ハイレゾと読み替えて頂ければそのまま通用します。
SACDはハイレゾ規格の範疇だからです。
最近実現したザ・ピーナッツのハイレゾはDSD配信の場合1bit-5.6MHzであり、
SACDの1bit-2.8MHzの倍の高解像度となりますが、素性は同じなのです。
(以下の青字は、過去掲示板のログより)
SACDを聴いていると非常にアナログ・レコードと似た音の感触があるように
思える。それは特に持続音において顕著のように感じるのだ。
ふつうのCDとの違いは木管楽器の音色が全然生っぽい。レコードもそうだ。
一方、ピアノの打撃音やドラムセットなどの響きはむしろCDが良い感じのようだ。
気のせいだと言われたらそれまでだが、私の中ではもう確信に近い。
その理由に付いて、乱暴だが、仮説を書いてみる。
CDはPCMという方式で作られている。
PCM(Pulse-Code Modulation:パルスコードモジュレーション、パルス符号変調)は、
音声などのアナログ信号をパルス列に変換する方法(パルス変調)の一つである。
アナログ信号を標本化(サンプリング)・量子化し、得られた信号の大きさを数値の
データとして表現する。
これはFAXの送受信方法と良く似ている。
低解像度で読み取ると早く処理が出来て、画像は粗いがスピーディである。
ところが、数字の入った原稿を送ると、数字が変わってしまったりする。
印刷は見事に「6」なのに、原稿が「5」だったりするのだ。
これで仕事で酷い目に合ったことがある。
その時に、FAXの仕組みを良く調べたのであるが、原稿を読み取る際にサンプルの
パターンと付き会わせているということがわかった。
サンプルは固定メモリー内に存在し、画質モードにより、突き合わせるパターンが
異なり、低解像度の場合は数字など、そのままの格好で比べているのだ。
だから、信じられないほど、くっきりと「誤った」数字が印刷されたりする。
これとCDの音が似てはいないだろうか?
CDは、16ビットだそうだ。色数で表現すれば、32000色だ。
65000だという説明も見たが、要は一桁の万数値である。
イラストレーターなどは、わざと、256色で表現させたりして別の効果を上げる。
昔のPC98のテレビゲームなどは8ビット=256色だったようです。
32000色では足りないとは言えないがフルカラーではない。
せめて、24ビットの、1670万色あれば、自然に見えるだろう。
もちろん、音と画像は違う。だが、本当に16ビットで音楽が表現出来るのだろうか。
また、この32000のパターンを一秒間に44100も鳴らしていることになるが、
これだけ変化させていれば人間に判別出来るわけがないというのがCDの根拠だろう。
人間の目は確かに、一秒間に24コマくらい変化すると連続して見えるという特性が
あり、高画質テレビなどは、60コマも変化させられるようですが、この程度の値で
動画として違和感がないのは、残像という目の働きによるものなのです。
だけど、聴覚は違います。残聴という働きは存在しません。聞いたことがない。
また科学的に、不連続と感じる限界というものもわかってはいません。
だからといってCDの音が完璧な連続音になっているとは感覚的に思えないのです。
実際の演奏やアナログレコード、アナログテープの音は連続性が保証されています。
測定器ではCDの音も連続性があるという結果になるのかも知れません。
だけど、人間の感覚は測定器を明らかに超えている領分があることも事実です。
ウィスキーやタバコの味の品質管理はやはり人間でなければ出来ないものなのです。
それは人間だけが持つ、違いがわかる能力です。
趣味性のあるオーディオ機器は全て技術者の「耳」と「経験」で作られています。
世界中のどのメーカーもそうなのです。これは本当のことです。
データ測定というのは主に不良品の検出や著しい異常を見つけるのが目的です。
スーパーオーディオCDに採用されたDirect Stream Digital(DSD)方式は音声信号の
大小を1ビットのデジタルパルスの密度(濃淡)で表現する方式です。
サンプルと比較してコード化することもなくダイレクト・ストリームの言葉同様に
音波を直接の流れそのものとしてデジタル化するだけなのです。
すなわち考え方としては非効率な方法であり、FAXで考えれば、ビットのままで
処理するので物凄い伝送量になってしまうクソ真面目なデジタル化です。
なんだけど……どうも、良い音の方向は、これっきゃないような気がします。
PCMでも良かったかも知れないが、32000パターンでは少なかったような。
パターンが少ないと色も鮮やかでメリハリが付くというメリットもあるのだが、
CDを聴いていると、これでいいんだよ、連続しているよ、と脳細胞が補正をして
聴いている感じで、疲れるのは、そのせいじゃないか、などと妄想してしまいます。
レコードはノイズ音をこれはないものだと頭でフィルターをかけて聴いているし、
SACDは心と頭が休まる感じ。これがいい。
CDは音が良くないという意見は特殊ではなく、世間で問題になりつつある。
MP3も音は同じである。パソコンのHDから送り出したほうが全然良い。云々。
オーディオ雑誌も、CDよりもアナログだ。CDはもうダメでSACDである。
もはやCDは四面楚歌。なによりも売上が急落している。
いやあ、これは、ちょっとCDがかわいそうになってきちゃったな。
しかし、自分が聴きたい音楽はほとんどCDからしか聴けないのが現状なんです。
わざわざネットからザ・ピーナッツの歌をダウンロードするのも意味ないし……。
(これは2007年の記述なので、ハイレゾ配信を指しているのではありません)
クラシックの名演もSACDでは特殊扱いで、ほんのわずかしか出ていない。
こうなるとCDを良い音で聴く手段を磨き上げるしかないように思えます。
今世紀に入ってから(正確には1999年からだが)CDプレーヤーの世界には
革命的なとんでもない事態が起きています。これは知っておいてほしい。
それは、SACD(スーパー・オーディオ・コンパクト・ディスク)の登場です。
SACDなんて買わないし、聴かないから関係ない。
ユーザーのレベルではそれでも良いわけなのですが、製造側はそうはいきません。
SACDのかからないCD専用の機器製造がいつまで続けられるかが問題です。
過去に作ったものはいいけど、これからも作ることが出来るかどうかなのです。
ソニーなどからのCD専用メカニズムの提供はなくなってしまうはずです。
(現在のCD再生メカはDVD機器向けの流用になっているそうです)
SACDのトランスポート作りは、あまりにも高度で、もはや一部のメーカーに
しか出来ない。これはメカニズムだけ他社に作ってもらうという手段もとれない。
パソコンでお馴染みのファームウエアがおいそれとは作れないのです。
(もっと具体的に詳しく説明出来るが、1000行は必要なので省略します)
DACに関してもSACDに対応する単独のDAC機器は世の中に一台も無くて、
全てトランスポートと同一メーカーとなってしまいます。これは規格なんです。
現在、SACD対応出来ているのは、下記のメーカーだけのようなのである。
アキュフェーズ
ソニー
エソテリック(旧ティアック)
デノン、マランツ(合同で開発)
パイオニア
フィリップス(オランダ)
LINN(英国)
ラックスとかオンキョー、CECなどは今後どうするのだろう?
CDしか再生出来ない機器では、安価な製品しか販売出来ないでしょう。
上記のメーカーから導入すると非常に高額な商品となってしまうでしょう。
デジタルプレーヤーから撤退するのかな? もう大変なことになってます。
SACDの登場でCD再生も別次元に突入しているのです。音質も激変時代です。
CD,SACDの両方に対応するようにA/Dコンバーターチップも作られている。
もはや主流がこのようになっている。高級なCD専用機にも使われているんです。
従来はCDの16ビット・フォーマットの限定した信号をアナログ処理していたが、
SACDでは24ビットであり、アナログ回路はCD,SACDともに共通なのだ。
取り扱っている周波数がまるで違うのだから、アナログ回路も圧倒的に進化した。
この試練を経て最新のCDプレーヤーは設計・製造されている。
単純に旧い新しいという比較の世界じゃなくて、CD再生の次元が変わったのです。
CDって、意外に良い音がするものだったんだ、というのが最新の評判です。
DVDオーディオ規格との覇権戦争のような愚行のせいもあるのだろうが、
SACDはソフト面もハード面も普及が停滞してしまっている。
理由は判り切っている。普通の人は高音質を求めていないからなのである。
手軽さ、便利さ、安価さを求めている。
音質の良さ、というような曖昧なものには関心がなく、大画面で薄いなどの
誰がどうみても大きな違いがあることしかセールスに結びつかないのだろう。
売り込む方のセンスも狂っている。
SACDやDVDオーディオにはマルチチャンネルという拡大用途があるから、
そんな方面で売り込むことに力を入れたりする。大馬鹿者だ。
あんなコケ脅かしの小細工はすぐに飽きる。オーディオの王道にはなりえない。
そういう音場でしか聴けない音楽は本物でもない。際物の俗物音楽である。
SACDには38センチ2トラックテープデッキの音を期待するべきなのだ。
SACDが奏でる音はアナログレコードをも確実に凌駕していると思います。
よくアナログとデジタルの比較をされますが、そこにいつも欠落しがちなのは、
同じコストでどうなんだい? という観点。
贅を尽した数百万円もするアナログシステムと5万円のCDプレーヤーを比べ、
アナログの方がいい、などという。馬鹿。当り前じゃないか。
贅を尽した数百万円もするCDプレーヤーと5万円のアナログシステムを比べ、
デジタルの方がいい、などという。阿呆。当り前じゃないか。
大袈裟じゃなく、こういうことを平気で実際に言っている人が多いのである。
同じコストの勝負ではレコードとCDは別々の長所・欠点があるから互角だろう。
だが、SACDはその勝負に決定的に勝利したといえる。
CDの持つ長所に、アナログの持つ長所を相乗させてしまったようなものなのだ。
だから長所としては絶大で、長所論では結論がついてしまったといえる。
しかし、短所も相乗させてしまったようなところもある。
CDの持つ商品の見かけの安直さはそのままだし、あまりに安価なシステムでは
音の違いがわからないから存在意義がなくなってしまう。
シングルコーンだろうとヘッドフォンだろうと音楽がちゃんと聴けるシステムで
あれば、SACDの音の良さは一聴瞭然なんであります。
後ろに繋がった機器の音が、こんなに素晴らしい響きを持ったシステムを今まで
自分は使っていたんだなあ、と呆然としてしまうのでしょう。
いやあ、疑ってすまなかった。
入口がお粗末だったのに君たちのせいにしちゃって、ごめん、と謝ることになる。
同じプレーヤーで、SACDフォーマット再生の時は素晴らしい音がするくせに、
CDをかけた途端にがっかりする。
こういうことをSACDプレーヤーメーカーは恐れていたのではなかろうか。
だから、CD層の再生音質も磨き上げている。
デノンは「Advanced AL24 Processing」というテクニックまで駆使しているのだ。
他社はここまでしないが、CD音質はここに来て著しく向上を果たしている。
それだけ、SACDの音質が図抜けているという証左でもある。
SACDの音質の良さは文字で表現出来るようなものじゃない。
歪みだ雑音だなんてナンセンス。高音が低音が云々なんか論じるのが馬鹿馬鹿しい。
しいて言えば、生中継の響きなのである。
昔のFM生放送や今のBS中継で電波を介しているくせに妙に生々しい、あの感じ。
会場のマイクが家の装置に直に繋がっているかのような、あの感触。あれに近い。
レコードやCDの窮屈な容れ物に納まった感覚が、そこには無いのだ。
ナチュラル過ぎて、あっけらかんとして、むしろ売り込むべき言葉がない。
シャープでもないが曇ってもいない。硬くも柔らかくもない、あるのは音楽だけ。
そういう音なのだ。自然体なんだが、自然体を愛してくれる人がいるのかが心配。
たいていの大手家電メーカーにとって“圧倒的な高音質”化は、あまり優先順位の
高い仕事ではない。'80年代の技術であるCDがいまだに主流であり、CD以降もMD、
iPodと続く道のりは、多くの大衆にとって“音質”が製品を選ぶ上で大きな要素では
ないことを示している。製品を企画、販売する側にとって、音質は“そこそこ整った
ものであればいい”ものなのだ。
“多くのユーザーは良い音なんてわからない”という、大きな誤解があることや、
オーディオ業界が音質のみを追求しすぎ、利便性にもっと目を向けられなかったこと
など、現状に至った色々と原因はあるだろう。しかし良い音を感じる能力は、言われ
るほどに個人による違いはない。要は良い音を知っているか、それとも知らないか。
それだけの差でしかないことが多い。
ここが、ポイントだなあ、と思う。
良い音を知っているか、それとも知らないか。
歌謡曲やポップスのコンサート行っても、業務用のスピーカーから出て来る音を聴く
だけであって、生の音はまず聴こえない。家でテレビから流れる音と一緒なんだよね。
電気楽器ではないバンドをやったとか、クラシックのコンサートを聴くとかの機会が
ないと、生の楽器の音に接しないし、その美しさが記憶に残らない。
結局、音にこだわらない人というのは、むしろ普通の環境にある人かもしれない。
そこからスタートじゃ、SACDが普及する前に沈没しちゃうわけだ。ダメだこりゃ。
SACDの仕組みはCDよりも単純なんです。
http://www.super-audiocd.com/aboutsacd/
じゃ、何故、機器が簡単に作れないか、というと、CDもCD−Rも同時に
かけられるようにすることが、ハード面とソフト面で難儀なんです。
さすがに、SACD専用プレーヤーじゃ売れませんからね。
SACD専用でいいなら簡単に出来るとメーカーも断言しています。
CDやCD−RやSACDを入れて、動き始めるまでが大変なんです。
音が出るころには、もうややこしいことはやってません。
以後はPCMのようにコードを処理しないのでCDを再生するよりも単純です。
歌謡曲とSACDは無縁なのか、というと、そんなことない。
ソニーのお膝元という特殊性もあると思うが、山口百恵の曲は全部SACDで
聴けるようになっているようだ。ようだ、というのは私は詳しく知らないから。
カタログで、ざっと数えても46タイトルのSACDが出ている。
内容が同じというのがあるのか、よくは知らないが、複数枚のアルバムもある。
その他、太田裕美、郷ひろみ、堀ちえみ、南沙織、森山良子も出ている。
もっと新しい世代も含めれば、とても数え切れない。みんなソニーかな?
キングレコードは最近のシンガーではSACD盤も出しているようなんだけど、
あまり熱心じゃないみたいなので、DVD-Audio陣営なのかな?
まあ、ザ・ピーナッツのSACDは無理だな。(わかっちゃいるけど……)
欧米でのマナーのひとつに、「それほど親しくない人とは宗教の話をしない」という
のがあるそうです。生まなくても良い摩擦を避けるための知恵でしょう。
世の中には、音楽を一切聴いてはいけない、というようなわけのわからない教義まで
あるので、宗教や信念の話をすると斜め上の論争に飛躍しちゃうのです。
音楽やオーディオの話が出来ることは幸せだと思わなくてはね。
さて、オーディオの話題も実は、皆さんの信念がそれぞれ違っているわけなのであり、
会話が成立するということは、非常に高度な知的思考によって、お互いに相手を尊重
しようとすることで成立しているギリギリの危ない世界でもあるわけです。(笑)
オーディオ好きにも種々派閥があって、アナログ派対デジタル派に代表されるように
状況によっては排他的にもなりやすい。ケンカにならないのが不思議なほどである。
極端な例が、蓄音機によるSP盤再生である。
再生機なのに蓄音機と何故言うのかなんてのは置いておいて、これで聴く音が最高だ、
という方も居られる。再生系に電気だ電子だ回路だなんていうものが一切ないわけで、
純粋に溝に刻まれた音波の波形を楽器のように大きな音に変えているからピュア、と、
いうことが音の良い根拠と言われるし、実際、妙に生々しいのも事実。
あえて欠点は書かない。むしろ欠点ばかりだからだ。愛好とは良い面だけを好む事だ。
一方、時代的に最新鋭なのが、メモリー・オーディオだ。
レコードやCDのような複雑怪奇なトランスポートが要らない。サーボも要らない。
純粋にデジタル処理とシンプルなオペアンプでアナログ回路も作られているために、
最短の信号経路で音波に変換され、最少の接点で耳に届く。理想的なマシンである。
これが長所の理論的な根拠である。最少の投資で最大の効果も得られるのも事実。
わざと欠点は書かない。客観的に論理的に欠点を証明することが困難でもある。
♪色々あるよ 色々ね(植木さんの、いろいろ節)……なんだよね。
2007年の記述なので、時代的に最新鋭なのがメモリー・オーディオだなんて
書いていますが、現在はネットワークオーディオということになりますね。
いずれにしても円盤状固形媒体は時代遅れということなのでしょうか?
でも、やっぱり、レコード盤をターンテーブルに載せたり、CDをトレイに…
こういうのって、さあ、聴くぞという気持ちになれるんで残念ですが、手元の
レコードやCD,SACDが消えるわけじゃないので、まあ、いいか。
我が家でという前提では、ハイレゾ配信のザ・ピーナッツ音源がCDの音を
上回っているかというと、実はそんなに単純なことでもないのです。
ソースが高解像度になっても耳に届くのはデータファイルじゃなくてアナログの
音波なので変換系の優劣やアナログ変換後の増幅系のグレードが問題となる。
音質はお金の問題じゃないはずですが、いやいや、お金の問題なんです。(笑)
ハイレゾ配信ファイルを聴くために購入したこれ↓
http://www.korg.co.jp/Product/Audio/DS-DAC-10/
26,754円で買いました。今は33,000円位です。時価なんで変動しています。
一方、愛用中のSACDプレイヤーは、この10倍近い価格なんです。
高価なら良い音がするんか! はい、するんです。made in japanだしね(笑)
デジタルのプレーヤーはどんな安物でもカタログ上のスペックは一緒です。
何故なら書いてあるスペックはCD規格がそのまま載せてあるだけなんです。
でも、出て来る音が違うんだからしょうがないじゃん。
これってアナログのフォノカートリッジやトーンアーム、ターンテーブルでも
言えたことだよね。カタログ値と価格が殆ど関係がないけど音質は雲泥の差。
なので、多分アナログ回路の濃さが違うんだと思うけど、ハイレゾ側の完勝と
いうことにはならなかったんです。もっと投資が必要なんでしょう。
他のは知らないけど ザ・ピーナッツのCDはとても良い音に仕上がっているので
それなりのプレーヤーで聴けば、ハイレゾとは趣の違う良い音がするんです。
CDはCDでまた違った勢いのある元気な音がするので捨てがたいのです。
http://peanuts2.sakura.ne.jp/omotya/newCDtxt.html
CDさえあればレコードもハイレゾも要らないとまでは思えませんが……
ザ・ピーナッツではないけれど、レコード、普通のCD、SHM-CD、SACDの
4つの媒体で同じ録音を私が持っている曲があります。
意外なことに、私個人の感動的な順番にすると…
レコード>SHM-CD=普通のCD>SACDだったのです。
冗談じゃない、SACDは何やってんだ、一番高価なくせに、となったんです。
私だけがそう思ったんじゃなく、音楽雑誌でもこのSACDは不評だったのです。
その後、SACDはデジタルマスタリングをやり直して良くなったらしいです。
どうもSACDは傾向として繊細だけどなよなよした響きになり易いらしいんです。
繊細で優しい音が好きなんで、SACDが好きなんですが、どうも曲調次第みたい。
ハイレゾも一緒で、DSDとPCMのどちらかを選んで購入するんですがDSD側が
良いとは一概に言えないようです。スカッと割り切れない世界のようですねえ。
いやはやどうも困ったもんですが、趣味/道楽なんて所詮そんなもんでしょう。
素人が語るよりもプロ(評論家)の記事を読んだ方がいいかもしれません。
下記の講座(1回〜10回)を全部読めば十分に理解出来るでしょう。
麻倉怜士のハイレゾ入門講座
http://ascii.jp/elem/000/000/963/963343/
ところで、この麻倉怜士さんという方、1950年生まれで65歳なのですね。
私が65歳の時に純音がどの周波数まで聴こえるのかソフトで調べたら、
12000Hzまでしか聴こえませんでした。今ならもっと聴こえないかも。
個人差があるらしいのですが、オーディオ評論家といえども聴力の老化は
防げないので(体力じゃないので鍛えられないでしょう?)大丈夫なんでしょうか?
ところが、お書きになっている文章をよく読むと、最高音域の伸びが凄いとか、
そういうことは書いていないのです。
リニアPCMはとても情報量が多く、明快で明晰。細部まではっきりとした音で、
解像感が高い。
一方DSDは響きが綺麗で、肌触りが素敵で、ヒューマンな香りが愉しく、
アナログ的な優しさを感じ、臨場感がすごく豊かです。
どちらも良いという感じですが、実際問題としてかなり音調に違いはありますね。
ひとことで言えば、くっきりとしたPCM、しなやかなDSD。
デジタルらしさをさらに追求したPCM、
デジタルでありながらアナログ的な感触を持つDSDと言ってもいい。
SACDを作ったソニーはCDの限界を知ってたんですよ。
CDの延長線上にあまり未来はない。だからCDとは違うものを作ろうとしたし、全く
違う方式で1bitのDSD方式を取り入れたんです。
そしてこの麻倉怜士さんは、こういう記事も書かれています。
私達団塊の世代に近いご高齢だからザ・ピーナッツなのでしょうか?
http://azby.fmworld.net/gpp/cs/article/72908/
5.6MHzDSDで「恋のバカンス」(1963年)を聴く。
素晴らしい。
編成がシンプルだから、音の鮮度の高さがそのまま再現される。
ザ・ピーナッツのコーラスは意外なほど、粒立ちが細かい。
もちろん艶はたっぷりだが、それに溺れずに、粒子感ほきちんと保ち、
整然なまとまりも感じられる。
二人のハモリが美しく、左右に分かれるハーモニーは、ハイレゾなら
ではの快感だ。
ピンポンステレオではなく、センターはオーケストラが陣取っている。
「恋のフーガ」」(1967年)。
冒頭のティンパニとオーケストラだけだと帯域が狭いような感じだが、
ヴォーカルが入ると、とたんに世界観がしっかり主張され、
これでいいのだという思いにさせられる。
ザ・ピーナッツのレコードやCDの録音評というものを初めて
目にしました。
半世紀を超える長い時間を経て、やっとこういう時代に至った。
そういう思いがします。
私はむしろ凄いんだぞ〜と幾度も訴えているのですが、そういう
観点で顧みられることが皆無だったので感無量です。
ところで、ハイレゾって何をやりたかったのでしょうか????
それが現在、正しく音楽好きな人々に伝わっているのでしょうか?
周波数特性を人間の可聴帯域を超えて収納したかった?
(そんなことに何の意味があるのか、説明が曖昧で良くわからない)
ダイナミックレンジをCDより大きくしたい?
(そんなことに何の意味があるのか。説明が曖昧で良くわからない)
俗にいうハイレゾの目的は上記のような謳い文句になっているようですが、
これって、手掛けた技術者の気持とかけ離れているんじゃないでしょうか?
あたかも大は小を兼ねるから、大きい、広いのが良いんだと表現しているが、
それって本来の目的じゃないことを商売のために数値だけを弄んでいると
いう気がするんだが……過ちじゃないんだが、的外れのような気がする。
ザ・ピーナッツ時代の録音で言えば、38/2トラのオリジナルの音響を
キングレコードの技術者は聴いているわけで、自社の市販CDにはどれ程
工夫してもオリジナルのサウンドは収納出来てないとわかってるはずです。
今一度、ここを見て下さい。
http://www.e-onkyo.com/news/256/
記事はそのうち消えるかも知れませんので、一部引用。
▼熟練エンジニア、安藤明氏は語る。
「当時はミュージシャン、アレンジャー、ディレクター、エンジニアが一堂に
スタジオに集まって、せーの!で録音。だから緊張感ですとか、お互いを感じ
ながらの協調感、楽しそうにプレイしてる雰囲気がマスターテープに記録されて
います。
ストリングスやコーラスグループも参加した大編成も多く、大変に豪華。
レコーディングの機材も、例えばこのTELEFUNKENはドイツの職人の成せる技で…、
余談ですがキングレコードのロゴはTELEFUNKENのロゴに倣ったと言われています。
また、レコードのカッティングも職人技と、すべてアナログでした。
その記録をこうして再現したというわけです」
アナログレコードや今までのCDの解説書に書かれたことのないことが書いてある。
「雰囲気がマスターテープに記録されています」←これこれ!!
DSDで聴いて頂ければ、それが聴けます! ということでしょ!!!!!!
人間の耳には聴こえない音まで入れたから、良かったらどーぞ、なんて書いていない。
余談ですが、ザ・ピーナッツ/ハイレゾ第2弾のレコーディング機材はスチューダー。
今度は、スイスの職人の成せる技で…ということになる。楽しい、楽しい!
繰り返すようだけど、私は12000Hz以上の音は単純音では聴けない老齢になった。
しかし、12000Hz以上をカットしたソースがあるとしたら狭帯域だと分かるはず。
去年人間ドックで聴力検査をして異常無しだったけど、難聴を調べる一般的な検査で
高音といっても8000Hzまでしか検査しない。そこまで聴ければ生活に支障はない。
30代の頃、左耳に異常を感じて耳鼻科へ行ったことがあります。
ローマの雨/銀色の道のシングル盤はザ・ピーナッツの歌がセンター定位なんだけど
どうも右に偏って聴こえるし、左耳が時々音割れするようにビリつくのだった。
通常よりも精密な聴力検査を行った結果、かなり高い周波数で左側の聴力レベルが
下がっているグラフが得られた。風邪の後遺症じゃないかということだった。
その時、なにか楽器を演奏されませんか? と聞かれた。
以前の患者さんで全く同じ症状を訴える人がいて、通常の検査ではOKだったのだが
私と同じことを訴えた人はオーケストラでトロンボーンを吹いている人だったそうだ。
ふつうの人はこの程度のことは気にならないんですと言われた。
鼻と耳を繋いでいる気道みたいな部分を清浄して低周波マッサージをして蒸気で蒸す。
これは一般的治療なんで特別コースじゃなかったんだが、数回通ったら治りました。
なので、病的な異常を感じたら耳鼻科へ行った方がいいけど、聴力低下は高齢に伴う
ものなのでしょうがないというところでしょう。
むしろ何を聴いても一緒だとなってしまえば別の意味で幸せかも知れません。(笑)
せっかくハイレゾ配信ファイルを聴ける機器を買ったのだから他にも何かと思って、
好きな「美少女戦士セーラームーン」の音楽集をと思ったがDSF配信はなかった。
今後もPCM系は買うつもりがないので対象外である。
ならば「新世紀エヴァンゲリオン」はどうかと調べたら、これもPCM系のflacだけ。
なんでだろ、アナログが元ソースじゃないとDSFでは配信しないのだろうか?
ザ・ピーナッツのはWAV FLAC DSFの三つから選べるのに。
http://www.e-onkyo.com/music/album/nopa784/
WAV FLAC 96kHz/24bit¥3,240
DSF 5.6MHz/1bit¥3,500
DSDだと何故260円高くなるの? 配信に時間がかかる? ファイルが大きい?
ところで「美少女戦士セーラームーン」の話に戻るが。(どこに戻るんだ!)
いやいや、ここ、重要なポイントなんですぞ。
音楽集の大部分はオーケストラ演奏で、そこは文句なしにハイレゾでいいんですが、
オープニングやエンディングや挿入歌が録音されたマスターはアナログテープじゃ
なくて、CDと同じ44.1kHz/16bitなのです。
歌ものはシングル盤CDを作ったりするので、歌謡曲扱いだったんじゃないかな。
つまり、ハイレゾじゃないわけで、色々と味付けしてアップコンバートしてるんです。
ニセレゾとか言われる所謂あれなんですね。
詳しくは知りませんが、80年〜90年代の歌謡曲/ポップスなどはデジタルマスター保存で
44.1kHz/16bitが主流らしいのです。(ご注意→真実かどうか知りません)
でもハイレゾが無い時代に、それ以上のスペックでマスターを保存する必要がないの
であろうから、CD規格でのアーカイブで十分だったんでしょう。
さあ、そこで活きてくるのが、ザ・ピーナッツ世代のアナログ録音なのですよ!
2トラック/38センチ/secがアナログマスターテープのはずです。
後年の録音ではもっと多重トラック録音であったかもしれませんが、最終マスター
自体は38/2トラが残されていると思います。この音質でこそ聴きたいのです。
さあ、ザ・ピーナッツ以外の世界はどうなってるのでしょうか?
ジャズとか全然わからないのですが、クラシックの名盤はザ・ピーナッツ世代である
1960年代の録音が大多数であって、お奨めCDなどという雑誌や単行本を見ますと
80〜90%が60年代までで占められているんです。
以前、メールで買いませんか、というお誘いが届いてびっくりしたガラスCD。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6418c3eef7abb7e9c77faecf2e450285
カラヤン/ベルリンフィルの1962年版。録音面でも黄金時代なんですね〜。
カラヤンのは後年のデジタル録音もあるのに、やっぱり60年代がいいのかな?
クラシックでせっせとSACD化されていたのも60年代の録音なのでした。
音質だってもう全然古臭くなんてないし、やっぱりいいものはいいんです。
ザ・ピーナッツの歌までハイレゾにするのか?
じゃなくてさあ。ザ・ピーナッツの歌だからこそハイレゾにするんですよ。
私はとっくの昔に、高解像度で聴きたいって書いてるんだからさあ。
http://peanuts2.sakura.ne.jp/omotya/newCDtxt.html
こんな機器が欲しくなったじゃないか、もうっw
http://dime.jp/genre/121608/
家の既存の機器とデザインを揃えるにも最適なんだけどな〜。
寝た子を起こす事態だけど、年金生活なんで先立つモノがありません。(大泣)
何故DSDのファイル(DSF)だけダウンロードが高価なのか?
理由がわかったような気がします。↓
http://www.gakki.me/pc_audio/no04.html
ザ・ピーナッツのアルバムの場合ですと…
WAVやFLACでのPCM-96khz/24bitの場合はCD容量の3.3倍ですが、
DSFのDSD-5.6Mhz/1bitの場合はCD容量の8.0倍も要るんですね。
これでは同じ値段では売りたくないでしょう。(笑)
ちなみにパソコンのシングルス1のアルバムサイズは5.81GBです。
DSDはアナログのありのままでデジタル化するので圧縮されない。
この調子で購入し続けるとハードディスク一杯になりそうw
リリースされているDSD形式は全体からみると少ないようです。
ザ・ピーナッツのはDSDが選べて良かった。
DSD扱いをしている、していないの区別はどうなってるんだろう?
ダウンロードサイトによってはDSFが全く無いところもあるみたい。
先程、アニメの音楽についてちょっと触れたんですが……
なんと、なんと、現在ハイレゾ配信のセールスを牽引しているのはアニメ。
アニメの音楽が売上の上位を占めているとのこと恐るべしアニメ音楽!
さあ、負けずにザ・ピーナッツのハイレゾを買って聴きましょうよ。
売れれば商品化が進みます。
今聴かなくても、我が家でアーカイブすればいい。音質の素性は最高です。
老い先短いので早く全ての音源のリリースを完了させて欲しいです。
(2015.04.29記)
敷居の高いハイレゾ
パソコンを手軽に使いこなせる人には何の不都合もないハイレゾですが、
一般的に高齢者の方には敷居がかなり高いと思われます。
オーディオが好きでメカにも強いという人でもパソコンは苦手であると
いう方も多いはずです。オーディオとパソコンは趣味の範囲が違います。
パソコンは買ったらすぐ使えるというものじゃありません。
何かするには必ずアプリケーションというプログラム(ソフトウエア)が
必要であり、それをパソコンに格納してやらなければ駄目です。
パソコンの基本ソフトに初めから入っている場合もありますが、やっぱり
別途アプリケーションを買うなり、ハードのおまけで入手しなけりゃ駄目。
無償でダウンロード出来るものもありますが、性能に限界があります。
ダウンロードといえば、ハイレゾ音源自体もダウンロードするわけですが、
今回購入したアルバムではサイズが5.8ギガバイトもあって受信に時間が
かかりました。無線LAN(Wi-Fi)経由ではかなりしんどいです。
機器の接続は一般的なオーディオよりずっと簡単ですが、ソフトウエアの
環境整備にはかなり手間がかかりました。多分、私の頭が悪いのです。
説明書きを読んでやっても上手くいきません。更によく読むと手順が違い
オレって馬鹿か、と自己嫌悪に陥ったりもします。(笑)
それだけ色々な設定が必要なのですが、得意な人ならなんでもないかも?
しかしながら私(68歳)のような高齢者にはあまり易しくないのです。
ハードディスクやらから再生させるより円盤メディアが扱いやすいです。
SACDを聴くのならSACD対応プレイヤーが必要ですが、買うだけで
扱い方はCDプレイヤーと同じなので苦労はまったくありません。
アナログレコードの再生に比べればCDPは嘘みたいに簡単だからです。
これはもう今更どうこう言ったって普及しなかったんだから仕方がない。
残念でもあるけど、SACDよりも更に高解像度のハイレゾDSD128規格で
聴けるのだから、その点では文句なしです。
レコードやCDやSACDには廃盤という宿命がありますよね。
ずっと売れ続けるような商品なら再リリースがあるのでいいのでしょうが、
さて現在行われているハイレゾ配信はいつまで商品として存在出来るのか?
物理的に保管場所が必要なわけじゃなく管理面だけの手間になるのですが、
それでも売れなくなったら抹消されるのかも知れないですよね。
ハイレゾが今後も音楽を聴くツールとして重要と認識されていけば良いが、
タダの一過性ブームとなるかも知れないし、機器も消え失せるようならば、
当分見送りでも良いかもしれません。音源が廃盤扱いにならなければね。
(2015.05.01追記)
麻倉怜士さんのザ・ピーナッツ・ハイレゾ録音レビューの第2弾が出ました。
更に好意的な取り上げ方になっております。
ザ・ピーナッツ ハイレゾ・コレクション シングルス2
ザ・ピーナッツ/キングレコード
2004年11月にアルバムリリースした『ザ・ピーナッツ・メモリーズBOX』DISC2に
収録された26曲をアナログマスターテープからDSDでマスタリングしている。
「スク・スク」「ヘロー・メリー・ルー」「コーヒー・ルンバ」「シンデレラ」……
などの翻訳ものが懐かしい。
ハイレゾのザ・ピーナッツは、本欄でも以前に採り上げたが、ユニゾン、そして
ハーモニーの美しさが圧倒的だ。
双子ならではの/同質性、つまり同種の声質の二人が同時に歌う声の質感の微妙な違いを
ハイレゾだから感じることができる。
ユニゾンで歌っても、やはり二人の声色にはほんのわずかな違いが出る。
このちょっとだけという部分、9割同じだけど1割だけ違うというのが、
DSD5.6MHzでよく分かるのである。
そうしたニュアンスに加えて、弱音のやさしさと強音の張り感の対照も愉しい。
テクスチャーは鮮烈で新鮮、それでいてナチュラルなのである。
まさにアナログの精雅。ワイドレンジで天井が高く、声とバックのオーケストラの
対比感もいい。
なお、この音源については、アスキーネット(ASCII.jp)でキングレコードの
リマスタリング現場を取材、リポートしているので参照して欲しい(来週にもアップ予定)が、
当時録音したTelefunkenやSTUDER製のデッキでアナログマスターテープを再生し、
リマスタリング(イコライジング)し、その場でDSD5.6MHz化していた。
かつてのアナログアーカイブものはフラットトランスファーするか、イコライジングを
かけるかという2種類の選択があるが、この作品の場合、当時の歌声、そして
作品に込められた芸術性を現代に甦らせるためには、イコライジングが必要だ
と考えているという。それもアナログ領域で掛ける。
イコライザーはAVALONDESIGN AD2077、コンブレッションはNeve33609を使用、
録音はMERGING TechnologiesのA/Dコンバーター+Pyramix。
完成したDSDのマスターとSTUDER A820で再生したオリジナルの
2トラック/38センチのアナログマスターを比較する機会があったが、オリジナルの
よさを保ちつつ、さらに現代的な風味が加わったのが印象的であった。
ヴォーカルはよりブライトになり、音の力感がくっきりしていた。
とはいえデジタルっぽさ(つまり強調感や冷たさ)はなく、明晰化しても、
アナログ的なヒューマンな響きを維持していた。
(2015.6.11追記)
キング関口台スタジオのエンジニアを取材
50年のときを経て、麻倉怜士がザ・ピーナッツに出会う
http://ascii.jp/elem/000/001/012/1012893/
上のリンクが切れている場合は、こちら↓をご覧下さい。